地下鉄での痴漢報告が急増 泣き寝入りが減ったため?

 20日付のDNAインフォによると、今年に入ってニューヨーク市警察(NYPD)に報告された、地下鉄網で起きた性犯罪の件数が昨年同時期と比べて56.7%増加し、400件以上に達していたことが分かった。
 ニューヨーク州都市交通局(MTA)の理事会に出席したNYPD運輸局長のジョー・フォックス氏は、昨年同時期よりも156件多い、431件の地下鉄網での性犯罪が今年報告されていると発表した。報告された性犯罪は、痴漢、盗撮、公然わいせつなどで、強姦は含まれていなかった。今年に入って性犯罪の報告件数が増えた原因として、女性が勇気を持って、被害を警察に届けるようになったことが挙げられ、実際の事件数がこれまでより増えたというわけではないとみられている。
 また、警察は今年に入ってから、昨年同時期よりも72人多い性的な動機による犯罪者を逮捕している。今年から、地下鉄駅構内を巡回監視する私服警官が増員されており、逮捕者のうち4分の3は、私服警官により逮捕されている。
 NYPDおよびMTAは、車内放送やポスターなどを使って性犯罪防止キャンペーンを行っており、これも女性が被害を報告しやすくなった一因と考えられている。