20日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市マンハッタン区のニューヨーク州高位裁判所は同日、ビル・デ・ブラシオ市長が提案していた、特定の住宅所有者への夏期の上下水道料金補助条例案を却下した。
市長は今年4月、市の上下水道利用者の80%に当たる1~3人で構成された66万4000世帯以上の住宅所有者に、夏期の上下水道代として市が183ドルを負担するという条例案を提出していた。同条例案には、7月1日から上下水道料金を2.1%値上げするという条項も含まれていたが、これにより補助金支給の対象とならない市内の賃貸住宅の所有者が影響を受けることになるため、不動産業者3社および賃貸住宅所有者の擁護団体、家賃法規制協会は、これを阻止するため裁判所に申し立てを行っていた。原告の代理人弁護士マイケル・ベレンガーテン氏は、「水道料金を値上げする唯一の理由は、同条例案の補助金を捻出するためだけ」と批判していた。
同裁判所のキャロル・R・エドミード判事は、原告の申し立てを認め、「水道委員会が一度きりの補助金支給と同時に水道代の値上げを承認することは、裁量権の乱用で同委員会による越権行為である」と述べた。