28日付のDNAインフォによると、クイーンズ区高位裁判所のジア・モリス判事は24日、ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長が2014年に、歩行者とサイクリストの交通死亡事故を撲滅するために開始した取り組み「ビジョン・ゼロ」の一環であるビジョン・ゼロ条例が、違憲であるとの判断を下した。
合衆国憲法第5条および14条では、刑事裁判の被告は、有罪が立証されるまでの間は無罪であるとされているが、ビジョン・ゼロ条例下では、事故を起こした運転手が、過失がなかったことを証明する立証責任を負う。このため判事は、同法を、適正手続きを受けるという憲法で保障された被告の権利を侵害するものであると判断した。
この判決は、14年12月に同区で85歳の女性を死亡させたスクールバス運転手の裁判で下されたもの。市長の広報は、これを非難し、今後も市警察(NYPD)に同条例を行使するよう奨励すると述べた。
NYPDは今年に入ってから6月10日までの間に、昨年同時期より63%多い、正当な注意義務を怠って運転していた18人の運転手を逮捕しているが、このうち14人が死亡事故を起こしていた。