6月30日付のエーエム・ニューヨークによると、ニューヨーク市警察(NYPD)の規則に従わずひげを伸ばしたことで停職処分を受けたイスラム教徒の警官が、職場復帰していたことが分かった。NYPDは、ひげ禁止規定の見直しについても検討しているという。
NYPDでは、警官がひげを生やすことを禁止しているが、宗教上などの理由で1ミリ以下のひげを生やすことは特例として認めている。しかし、NYPD行政裁判課所属のパキスタン系米国人、マスード・サイドさん(32)は、規定より長い0.5~1インチ(約13~25ミリ)のひげを伸ばしていたことで、無給の停職処分となった。これを受け、サイドさんは同22日、マンハッタン区連邦裁判所に提訴し、裁判所はこの警官の申し立てを認め、8日に予定されている処分についての公聴会が開かれるまでの間、給与やや福利厚生の支払いを続けるようNYPDに命じた。
また、市法務課が同裁判所に宛てた文書は、NYPDがサイドさんの職務復帰に加え、パトロール指針の身だしなみ規定とひげ禁止規定の一部、宗教上の理由による特例の1ミリ以下という基準について、120日の見直し期間を設ける予定であることを明らかにしている。