18日付のニューヨーク・タイムズによると、カリフォルニア州立大学の助教が、ハトの血中鉛濃度を調べることが、地域の環境汚染度を知る手掛かりになるとの研究結果を、同日付のザ・ジャーナル・ケモスフィア誌上で発表した。
マンハッタン区では近年、多くの子どもたちの血中鉛濃度が上昇しているというが、同研究報告書作成当時、バーナードカレッジ生物学部で助手を務めていた主著者のレベッカ・カリシ氏は、2010~15年の間、ニューヨーク市内のさまざまな地域に生息する825羽のハトを調べたところ、グリニッジビレッジとソーホーに生息していたハトの血中鉛濃度が高いことを確認した。この結果が、市保健衛生局が発表した、子どもの血中鉛濃度の地域別分布と一致していたことから、全国の都市で、その地域に生息するハトの汚染状態を調べることで、その地域の汚染度を知ることができるのではという考えに至ったという。
ハトは人間の近くで暮らし、人間の食べ残しなどを食べ、一生同じ地域に生息することから、人間と比較するのに適した生物だという。同氏は、ハトを使った調査により、「人間の健康上の問題を、未然に回避することができる可能性がある」と述べた。