元従業員がアバクロを提訴 女性の服を強要され

 25日付のニューヨーク・ポストによると、性同一性障害を公表していたアバクロンビー&フィッチの元従業員が、上司らから女性用制服の着用を強要され、性差別を受けたとして、同社に対し3500万ドル(約36億5千万円)の賠償金の支払いを求め訴訟を起こしていたことが分かった。
 マハ・シャラビーさんは女性の身体で生まれたものの、男性として生活しており、同店でスタッフとして採用される際に、男性従業員と同じ制服で働くことに双方が同意していたという。しかし、シャラビーさんが店舗で働き始めると、男性のような服装をするのは同社のスタッフ服装規定「ルック・ポリシー」に反するとし、女性用の制服を着用するよう強要されるようになった。また、店長からは「男性と同じ制服での接客は顧客の気分を害しかねない」と非難され、「会社が求める服装で働けない場合は、顧客の目には触れないポジションで働くか、店を去ってもらうことになる」と通告されたという。
 シャラビーさんは2012年に解雇されたが、連邦雇用機会均等委員会によって、性差別による制服着用を強要する行為は違法という判断が今年2月に出されたからと、訴訟に至った経緯を説明した。

Thiemo Gillissen

Thiemo Gillissen