7月28日付のCBSニューヨークによると、2013年10月、通っていた学校から行方不明になりクイーンズ区イースト川沿岸で遺体で発見された自閉症の少年アボンテ・オクエンド君(当時14)の遺族に対し、ニューヨーク市は和解金270万ドル(約2億8千万円)を支払うことで合意した。
オクエンド君は、同区ロングアイランドシティの公立校、リバービュー・スクールを抜け出し行方不明になった。自閉症で意思の疎通がうまくできないオクエンド君の安否を案じ、市警察やボランティアらが市内各所でチラシを配布したほか、地下鉄のトンネル内などでも大掛かりな捜索が行われた。
願いは通じず、オクエンド君が見つかったのはそれから3カ月後の14年1月で、学校から数マイル離れた場所で学校を抜け出した際に身に着けていた洋服姿で発見された。
事件後、オクエンド君の母親は「息子には特別なケアが必要と事前に学校側に知らせていたにもかかわらず、管理が不充分で、誰も抜け出したことに気付かなかった」として、市に責任を求め訴訟を起こしていた。
市は、「子どもを亡くした家族の悲しみは察するに余りあるものだが、今回の合意が遺族の悲しみを少しでも和らげることを願う」と声明を発表した。