7月31日付のニューヨーク・タイムズによると、ブルックリン区内で同28日、ニューヨーク市警察(NYPD)の新しいテロ対策部隊の訓練が行われた。
NYPDは昨年、重武装し強化されたテロ対策部隊「緊急対応部隊」の結成を発表し、過去7カ月間にわたり訓練が行われてきた。同紙の記者は、同区フォートグリーンの薬品工場跡地で行われた訓練の取材を制約の下、許可されたが、訓練の様子を写真や動画に収めることは禁止された。また、テロリストらが訓練の描写を読んで部隊の動きを予測したテロ攻撃を仕掛けることを避けるため、記者が戦術について記述する際は、概略のみにとどめるよう指導を受けたという。
これまでは人質を取って立てこもるケースが多く、人質解放交渉班が活躍したが、最近は、フランスのパリやカリフォルニア州サンバーナディーノ、フロリダ州オーランドなどの事件のように、人質を取らず大量殺人を目的とした事件が増えており、同部隊は、犯人を捜し出し、事前に防止することを目的に訓練を行う。
NYPDのジェームス・R・ウォーターズテロ対策本部長は、「オーランド銃乱射事件のようなことは、また起こる可能性がある」と注意を喚起した。