市内唯一の牛乳工場が閉鎖 公立学校の給食でも供給

 3日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、クイーンズ区にある市内で唯一現存する牛乳工場が今年10月末に閉鎖するという。
 エルムハースト・デイリー社は、80年にわたりニューヨーク州アップステイトの牧場から原乳を運び、同区ジャマイカの工場で加工してきた。同社の牛乳は、市内8300の店で販売されているほか、1400の公立学校の給食でも提供されている。
 同社のヘンリー・シュワルツCEOは、「ここで営業を続けるのが、創業者マックス・シュワルツの希望。長年努力の限りを尽くしてきたが、ここにきて採算が取れず、その希望を叶えることが困難となった」と、閉鎖の理由を説明した。同氏によると、過去25年間に、規制強化や州外業者との競争激化により経営環境が急激に変化し、20もの牛乳工場が市内から立て続けに姿を消したという。州上院議員など関係者が州や市に対して規制緩和を働きかけ、存続の努力を続けてきたが、実現しなかった。
 現在273人の従業員を抱える同社の労働組合も、「会社が苦しい状態にあるのは理解できる」として、退職金などの条件交渉に入る。工場跡地は、コミュニティーに役立つよう利用される予定だという。

同社の製品 (photo: www.elmhurstdairy.com)

同社の製品 (photo: www.elmhurstdairy.com)