12日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市はこのほど、公共施設に授乳室の設置を義務付けると発表した。
11日、ブルックリン区庁舎で、ビル・デ・ブラシオ市長は、夫人のシャーレーン・マックレイ氏や赤ん坊を抱いた母親らに囲まれ、この条例の署名式を行った。今後は、市内の職業安定所や児童福祉事務所などの公共施設に授乳室が設置され、これまで化粧室などをやむなく使用していた母親たちが気兼ねなく授乳できるようになる。また、同条例では、授乳室への椅子や電気プラグの設置、水道の確保や化粧室内に併設せず独立した場所を設けることが定められた。
民間企業では2013年より、従業員が搾乳できる設備を確保することが多くの州で義務付けられているが、地方自治体ではこのような取り組みが遅れており、同様の条例を定めている都市は全米でもまだ数が少ない。
市長は、有給の育児休暇や公共施設に生理用品を常備するといった、これまでに取り組んだ例を上げ、「授乳は女性の当然の権利であるにもかかわらず、不便な状況にあるのは不公平だ。今後も女性に対する不公平を無くす努力を続ける」と抱負を語った。