セルビア正教会再建へ 大火災から3カ月

 25日付のメトロ・ニューヨークによると、今年5月1日の大火災で被害に見舞われたマンハッタン区フラットアイアンにあるセルビア正教会の聖堂が、再建に一歩ずつ近付いているという。
 同教会のリディア・ニコリック氏によると、関係者らは再建に向け、ニューヨーク市の建築局、重要建築物保存協会(LPC)らと協議を重ねており、教会から提案される具体的な再建案の審査と承認はLPCが今後半年から1年かけて行うことになる。市からも、この工事に向けて屋根に金属製の梁を掛け、燃え残った部分を強化するよう具体的な条件が提示されている。
 また、工事の資金は保険金と寄付によって賄う予定で、22日にはテニスの全米オープンに出場するセルビア出身のテニス選手、エレナ・ヤンコビッチ選手ら数名を招き、同区にある高級スポーツクラブのニューヨーク・アスレチッククラブで資金集めのパーティーが行われた。
 同教会は1982年に米国家歴史登録材に認定されており、木造建築とステンドグラスが象徴的な建物だったが、5月の火災では消火に3時間を要し、聖堂の大部分が、焼け焦げた梁の一部を残して消失した。火災の原因は、ろうそくの火の不始末だった。

焼け落ちた屋根が火災の凄惨さを物語る =25日午後 (photo: Maria Shimabukuro)

焼け落ちた屋根が火災の凄惨さを物語る
=25日午後 (photo: Maria Shimabukuro)