28日付のUSAトゥデイによると、ニューヨーク市を拠点とする医師団が、メキシコで4月、世界初となる新たな技術によって3人のDNAを持つ男児の出産を、成功させていたことが分かった。
ニューホープ出産センター所属のジョン・チャン医師らのグループは、ミトコンドリアの変異が理由で起こる、世界の多くの国で難病指定されているリー脳症を患うヨルダン人女性が、生まれてくる子どもに遺伝子変異を引き継がせないために、母親の卵子から遺伝情報を含む核を取り出し、別の女性の卵子に移植して夫の精子を受精させることに成功した。この方法により、5つの胎芽を生成し、正常に発育した1つを母親の胎内に戻して、女性は約8カ月後の4月6日、女性2人と男性1人のDNAを受け継ぐ男児を出産した。これまで、男児に病の兆候は見つかっていないという。
この方法は、米国では承認されていないため、規制のないメキシコで行われた。チャン医師は来月、米生殖医学会議で研究結果を発表する予定だ。
これまでの、3人を親とする受胎方法では胎児の染色体異常や生まれた子どもに発達障害がみられたため、米食品医薬品局は2002年、この方法の禁止を命じていた。