9月29日付のメトロ・ニューヨークによると、マンハッタン区の5番街にある全米屈指の規模とコレクションを誇るメトロポリタン美術館(MET)が、今年度1千万ドル(約10億1千万円)の赤字を抱え職員34人を解雇したことが同28日、分かった。
METのダニエル・ワイス館長は、「大変厳しい選択だった。優秀な仲間を失うのは悲しいことだが、美術館の本来の使命を損なうことなく財政目標に達する必要があった」と説明した。解雇の対象となった職員は、ほとんどがデジタルメディア部門所属だったという。
また関係者筋が、職員の解雇以外にも経費削減のために毎年数回企画される特別展示の回数や規模を減らす案が浮上しているほか、チケット販売での増収や土産物店での売り上げを伸ばすための施策を講じる予定であることを明らかにした。
METは近年、改築や別館の新設などを行ったため、その工事費が赤字の大きな原因だとみられているが、今後の維持費も鑑み、赤字額は4千万ドル(約40億5500万円)に上ると予想されている。
今年7月には、55歳以上の職員に対して早期退職希望者を募り、50人の職員が職場を去っていた。