27日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、マンハッタン区アッパーイーストサイドで同日未明、死者1人と負傷者14人を出す火災が発生し、ニューヨーク市消防局(FDNY)の消防士がロープを使って、81歳の男性を救出していたことが分かった。
同午前3時半ごろ、同区東93丁目の5階建てのアパートビルで火事が発生し、ジム・ダフィーさんが最上階の部屋に閉じ込められた。消防士のジェームス・リーさんは、隣のビルからダフィーさんの部屋に入り、2人の体にロープを巻き付け、ビルの裏側の窓から垂直下降した。炎がロープに飛び火し、2人が着地した15秒後に、ロープの上部が燃え落ちたという。ロープを使った救出は非常に危険なため、めったに行われないが、リーさんは、「ロープによる被害者救出は5年ぶりだったが、炎のまわりが速すぎて、ほかの方法では無理でやむを得なかった」と振り返る。
FDNYのダニエル・ネグロ局長は、「見事な救助」とたたえた。ビル・デ・ブラシオ市長は28日、リーさんが所属する消防署を表敬訪問した。
病院に搬送されたダフィーさんは取材に対し、「93丁目の奇跡。彼が天国から来た天使に見えた」と述べた。