18歳未満の未成年がけがをして訴訟を起こし、賠償金を受け取ることになった場合、親がその金額をすぐ受け取れると思いがちですが、米国での裁判の場合、親が子どものお金を勝手に使ってしまうことを避けるため、子どもが18歳(州によって異なる)になるまでは賠償金を銀行で保全するよう命令が出ることが一般的です。ただし、最近では銀行の利子を考え、預金の代わりに被告がAnnuity(年金保険)などの金融商品を購入し、子どもが18歳になって大学に通うようになってからその金額が支払われる、といった方法が多くなっているようです。
また、未成年が生命保険の受取人になっている場合も同様で、例えば子どもの父親が亡くなった後、残った母親がすぐに小切手を受け取れるわけではありません。それを避けるためには、生命保険をかける前、遺言書にてTrust(信託)を作成し、生命保険の受取金について決めておくことが必要です。あるいは、もっと簡易な方法として、生命保険の手続きをする際に保険金を管理する大人を指名し、金融機関で子どものための口座、UTMA(Uniform Transfer to Minor Account)口座を開設する方法もあります。保険名義人の死亡後は保険金はその口座に入金され、指名された大人が管理します。しかし保険名義人の死亡前に何もしていなかった場合は、裁判所にて未成年者の法的後見人制度の手続きをする必要があるかもしれません。この場合はUTMA口座とは異なり、後見人となった人は口座の管理について裁判所に定期的に報告する義務があります。
*UTMA口座の詳細については、金融機関に直接お尋ねください。
今月のお店
Café Hanamizuki
143 W 29th St (bet 6th & 7th Ave)
おにぎりとみそ汁を含むランチセットのほか、ロールケーキ(抹茶、バニラ)やコーヒーも楽しめる。
飯島真由美 弁護士事務所
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NY州認定弁護士。法政大学文学部、NY市立大学ロースクール卒業。みずほ銀行コンプライアンス部門を経て独立。2010年に飯島真由美弁護士事務所を設立。家庭法、訴訟法、移民法など幅広い分野で活躍中。趣味はカフェ巡り。