ファッションライターあやこんぶの“おしゃクロ!” Vol.25 博物館級の蝋人形が飾られたオカルトなバーが出現 HOUSE OF WAX 

 ダウンタウン・ブルックリンの一角にオープンした映画館「アラモ・ドラフトハウス」は、映画を観ながらフルサービスの飲食が楽しめる、ひと味違った様相となっている。ハロウィーンを目前にした週末には、一風変わったテーマバー、ハウス・オブ・ワックスがシアター内にお目見え。壁一面のガラスのショーケースに、19~20世紀初頭までに作られた蝋人形が無数に飾られている。驚くべきはその本格志向の高さ。医学的に使用された内臓の解剖模型から、アンティークとしても希少価値の高い「解剖したヴィーナス」と呼ばれる妊婦の全身解剖模型など、病理学や解剖学の見地からも価値あるものが多数飾られている。

©Victoria Stevens

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ライアン・マシュー・コーン氏

ライアン・マシュー・コーン氏

 キュレーターを務めたのは、ガイコツやミイラなどを収集するコレクターとしてディスカバリーチャンネルで放映されていたリアリティー番組「Oddities」にも出演したライアン・マシュー・コーン氏。映画のセットデザインからジュエリーデザインも手がける彼に話を聞いた。「これらの蝋人形の収集には1年を要しました。1869〜1922年まで存在したベルリンにある博物館収蔵の展示品で、閉館とともに倉庫で眠っていたものをミュンヘンのディーラーが所有していたという話を聞きつけ、現地に飛んだり」と、それはまさにドキュメンタリーの1コマのよう。
 19世紀のビクトリア調デザインを意識したキャビネットで見事に飾り、ペルシャのラグが敷かれた荘厳な店内では不気味な名前のカクテルをサーブ。映画を観る前に立ち寄るだけではもったいない。まさに博物館の中でカクテルを飲むようなこの感覚を味わいに、足を運んでみてはいかが。

©Victoria Stevens

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House of Wax(Alamo Drafthouse)
445 Albee Square W #4410, Brooklyn
Tel 929-382-5403 
www.thehouseofwax.com

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フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
www.ayakomboo.com
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。