15日付のメトロ・ニューヨークによると、ドナルド・トランプ氏は中絶反対を掲げ次期大統領に当選し、副大統領候補のマイク・ペンス氏も強硬な中絶反対派であることから、ニューヨーク州では女性の権利が時代に逆行し、脅かされるのではと懸念する声が高まっている。
トランプ氏は当選後に出演したテレビ番組「60ミニッツ」で、現在空席となっている連邦最高裁判所の判事には、中絶反対派の人物を任命すると言明。実現すれば、中絶の権利が保障された1973年のロー対ウェイド事件の判決を覆し、中絶法の裁定を各州に差し戻すことも可能だと発言した。
これを受け、非営利団体、全米生殖健康研究所のタラ・スウィーニー氏は「トランプ氏は女性の最も大切な権利の1つを脅かしている」と警鐘を鳴らし、ある医師は「選挙後問い合わせが殺到し、避妊法の制限を心配する患者が増えたため予約数が急増した」と今後の影響を心配する。
州では1970年に中絶が合法化されているが、仮に妊娠中絶を規制する国内法の大部分を違憲無効とした同事件の判決が覆されれば、これまで州法で保障されてきた中絶の権利や規定の有効性が危うくなる可能性もある。