28日付のDNAインフォによると、トランプ次期米大統領が、選挙運動で1100万人の不法移民の強制送還を公言していたことを受け、不法移民でも取得できる身分証明書(IDNYC)を発行しているニューヨーク市は申請者の個人情報削除を検討しているが、これに反対する声が上がっている。
ビル・デ・ブラシオ市長は、不法移民がIDNYC申請時に市に提出した個人情報を連邦政府に開示しないことを約束し、削除を検討していると発表したが、ニューヨーク州議会下院の共和党ロン・カストリナ議員やニコール・マリオタキス議員は、セキュリティー上、記録を保存するべきだと異議を唱えている。両者は、削除することによりIDNYCを不正に取得した者の追跡や、同身分証明書を使って行われた犯罪の捜査が困難になると主張している。カストリナ議員は、「情報の削除は、悪人のために門戸を開くようなものだ」とし、市が情報の削除を実行するというなら、提訴も辞さないと述べた。
デ・ブラシオ市長が2015年、不法移民や元囚人、トランスジェンダーの人々など、通常の身分証明書取得が困難な人々のためにIDNYC発行を開始して以来、約90万人が申請している。