11月29日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市で過去25年の間に殺人事件全体の件数は劇的に減少しているものの、家庭内暴力(DV)による殺人の件数には、目立った変化がみられないことが分かった。
市では、2002年から同月末までに全体の件数が40%減少しているが、家族や交際相手からのDVによる件数は、同期間の年間平均が68件で、軒並み高いまま推移した。DVによる件数が最も多かった11年は92件で、昨年はほかの年と比べて41件と少なく、件数の変化には捉えどころがない。市警察(NYPD)によると、今年のDVによる件数は、11月27日までの時点で54件だった。
市にはDV撲滅プログラムが存在するが、ビル・デ・ブラシオ市長は先月、妻で活動家のシャーレーン・マックレイ氏とNYPDのジェームス・P・オニール本部長が指揮を執る対策本部を結成。今後4カ月間にわたり市内全域での包括的な対応に当たり、暴力がエスカレートする前に、問題のある家庭にソーシャルワーカーを派遣し、被害者をより多く救う方法を模索する。
市では今年、麻薬常習者の内縁の夫や別居中の夫に女性らが殺害される事件が起きている。