12日付のポリティコ・ニューヨークによると、ニューヨーク市で2016年上半期に、ヘロインの約50倍強力な鎮痛剤である合成オピオイド「フェンタニル」の過剰摂取による死亡事故が著しく増加していたという。
市では、昨年上半期に132人が過剰摂取で死亡したが、今年の同時期は188人だった。また、市内5区全てで増加し、マンハッタン区では15年上半期の16人から今年上半期には41人へ、スタテン島では7人から24人、と増加が顕著だった。クイーンズ区では33人から43人、ブルックリン区では36人から39人、ブロンクス区では40人から41人へ増加した。
米国では昨今、フェンタニルを混ぜた、より強力なヘロインが流通しており、フェンタニルの摂取に関連する死亡事故のほとんどはこれによるもので、使用者の多くはその危険性を認識せずに摂取したものとみられる。
市では過去に、薬物過剰摂取死亡事故全体に占めるフェンタニルの割合が3%を超えたことがなかったが、今年上半期には35%に上昇していた。また、07年に全米での銃による自殺者数はヘロインの過剰摂取による死亡者数の5倍だったが、15年には逆転した。