11日付のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市内の公園にあるシーソーの数は減る一方だという。
市公園局によると、20世紀の初頭、市内に公園が整備され始めると非営利団体などがシーソーを寄付して普及した。1934~60年の間に600ほどの公園が誕生し、滑り台などと並んでシーソーはなくてはならない遊具だった。
現存する木製のシーソーは、西74丁目のリバーサイド公園のもののみ。金属製も珍しく、そのすぐ北にあるリバーラン公園には90年代に設置された3台があるが、高く上がっても、地面に敷かれたゴム製マットからたった32インチ(約80センチメートル)だ。
これは、81年に連邦政府が遊び場の安全性について発表した指針の影響。特に木製のシーソーは、安全性の面でやり玉に挙がったという。下がったときに地面に叩きつけられて、子どもの尾骨や背骨を傷つける、落下するなどの懸念のためだ。現在の指針でも、より安全な支点式を使う、タイヤをクッションにする、幼児には勧めないなど、取り扱いには慎重だ。
訴訟問題に発展する可能性も高く、各自治体がおよび腰になっているようで、シーソーの数が増えることはなさそうだ。