5日付のメトロ・ニューヨークによると、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は4日、ドナルド・トランプ次期米大統領の政権下で医療保険制度改革(オバマケア)が撤廃された場合、州の支出が37億ドル(約4320億円)増え、270万人もの州民が医療保険を失うことになるとの試算を発表した。
知事は、オバマケア撤廃に伴い、連邦政府の関連予算削減も想定されることから、州内の各郡は総額で6億ドル(約700億円)の公的制度補助金を失う可能性があると述べ、中でもニューヨーク市は4億3300万ドル(約510億円)の削減と、州内の自治体としては損失額が最も大きくなるとの見通しも明らかにした。
オバマケア撤廃については、マーク・ペンス次期副大統領が同日、「政権移行後に最初に着手する事項」と明言しているが、代替案についてはいまだ明らかにされていない。
撤廃に反対する州選出のチャック・シューマー上院少数党院内総務(民主党)は、実現可能な代替案を示していない共和党を批判。トランプ次期大統領はツイッターで、「オバマケアはいかさまで、シューマー議員はこれを支持する民主党のヘッドクラウン(道化師の親玉)」とこき下ろした。