24日付のニューヨーク・ポストによると、ニューヨーク市内の公立高校はここ数年「卒業率の上昇」を目標に掲げ成果を挙げている一方、卒業した生徒の多くは進学や就職に必要とされる学力を伴っていないことが、このほど調査により明らかになった。
ブロンクス区のブロンクスデール高校は昨年度、卒業率76%を達成。これは同区の平均卒業率66%だけでなく、市平均の72%も上回る。しかし、市立大学(CUNY)が同校卒業生のSATなどの学力テストの点数を調べたところ、大学レベルの基礎数学や英語科目を受講できる学力が認められた生徒は、全体のわずか4%だった。
市教育局(DOE)の調査でも、CUNYの学力基準を満たしているのは同区の高校の卒業生では25%、市全体でも37%にすぎないことが分かっている。
学力が基準に達していない生徒は、進学しても大学レベルの学力を身に付けるために補修クラスの受講が必要で、就職後も学力不足が大きな障害になることは明らかだという。
こうした実態にもかかわらずDOEは昨年度、ブロンクスデール高校の「厳しい指導内容」に対し、エリート校のブロンクス・サイエンス高校より高い評価を与えている。