医療保険でも「格差」 保険に加入する白人が優先

 3日付のクレインズ・ニューヨークによると、ニューヨーク市の民間大学付属病院では、マイノリティーや医療保険非加入者、メディケイドとして知られる低所得者向け医療費補助制度に加入する患者が少なく、白人を優先的に受け入れる現状が、インターナショナルジャーナル・オブ・ヘルスサービスが先週発表した調査報告書により分かった。
 医療保険制度改革、通称オバマケアが施行される前の2009年、市の民間大学病院に入院していた白人の数は、黒人の数の約3倍だった。オバマケアが開始となった14年でも、依然として白人の入院患者数は黒人の2倍以上だった。メディケイド利用者および保険非加入者が民間の大学病院で治療を受けることはさらに少なく、その格差は明らかだ。
 同調査は、09~14年までの市とボストンの病院での退院記録を分析したもの。専門家によると「大学病院が保険に加入した白人を優先的に受け入れる例は後を絶たず、オバマケア開始後にむしろひどくなった」という。
 一方、別の専門家は、昨今の病院の買収や合併により、大学病院はメディケイド利用者をより多く受け入れるように変わってきており、「調査結果は不正確」と述べた。
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