病院で70人を突如解雇 NY市の医療システム崩壊寸前?

 12日付のニューヨーク・ポストによると、ニューヨーク市立病院などの医療関係者およそ70人が先週、何の前触れもなく解雇されたという。
 この70人の中には、大手ベルビュー病院のスタッフも含まれる。そのうちの1人は、「突然人事から呼び出され、解雇通知を受けた。そのままビルの外に誘導された」と話した。市は正確な人数を発表していないが、事情を知る関係者によると、同病院での対象者は15人だった。
 一方、市の公立病院を運営するNYCヘルス+ホスピタルズの広報担当は、「全体で約70人だと分かっている。管理部門の重複を避けたり、不必要な非医療スタッフを削減するのが目的で、通常の経営判断」と説明した。また、これ以上の解雇は予定にないとしている。
 同機関は11の病院および70以上の提携クリニックを擁し、約4万人の従業員が在籍。多様化するニーズに充分応えられておらず、財政的には破綻寸前で、施設の統廃合を行う市が年間20億ドル(約2270億円)の援助金を出すなど組織再編が計画されていた。
 昨年4月には「健康増進への架け橋」と題する報告書が発表され、その中で「リストラはないと約束する」と明記されていたという。

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