ギタリストの「希望のケース」 ホームレスや困った人を支援

 20日付のニューヨーク・ポストによると、マンハッタン区内の地下鉄駅で演奏するギタリストが、人々から集まったチップをホームレスなどに分け与える活動を行っているという。
 ウィル・ボヤジャンさん(26)は42丁目−ポートオーソリティ・バスターミナル駅でブルーグラスを奏でている。通りすがりの人たちは、黒いギターケースの中にチップを入れていく。1日に400ドル程度が集まるという。ケースの横に置かれた手書きのサインには「ホームレスや困った人は、欲しいだけ持っていっていいよ」との文字がある。
 自身もホームレスだった経験があり、全ての人が遠ざかっていくような疎外感を味わったという。「困った人の暗い心を少しでも明るくできれば」と始めたのが約1週間前。この活動を「希望のケース」プロジェクトと呼んでいる。生活資金は、北欧のクルーズで8カ月間ギタリストとして働いて貯めた金だという。
 「1ドル、5ドルと取っていく人もいれば、80ドルくらい持っていく人もいる」とボヤジャンさん。余ることがあれば、メトロカードを買って配ったり、ホームレスに分け与えたりする。「僕の仕事は与えることで、目的はケースを空にすること」と語った。

6-2