飛び降りを引っぱるな パトロール警官に新たなルール

 22日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(PA)警察は20日、ジョージワシントン橋をパトロールする自殺防止部隊の警官に対し、橋から飛び降りようとする人を見つけても「引っ張って引き戻そうとせず救急隊を呼ぶように」との指令を出した。
 この指令では「PA警官が自らの命を危険にさらす事態を避けるため、自殺を試みようとする人に対しては救急隊員が対処に当たり、装備の器具を利用しつつ彼らの気持ちを和らげるよう努める」と指令の主旨を説明している。
 PA警官は昨年1年間で、橋から飛び降りようとした70人もの命を救っており、警官共済組合は以前から、パトロール警官が飛び降りようとする人を止める際に本人が落下しないよう、防止用ハーネスの装備を要求してきた。今回の指令はハーネス購入の代わりに出されたという。
 指令を受け一部の警官からは、これを無視して飛び降りるのを止めるか、目の前で自殺者を出してしまうかの選択に悩み板挟みになることを懸念する声が出ている。
 PA警察は幹部とのミーティングを行い、歩道の開放時間中は救急隊の車が橋近辺のハドソン川沿いに常駐するよう追加司令を出した。
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