23日のDNAインフォによると、ニューヨーク市内の地下鉄で、1月に無賃乗車で約2千人が逮捕、収監され、5500人以上が召喚状を発行されていたことが、21日分かった。
データは市警察(NYPD)がまとめたもので、地下鉄を運営するニューヨーク州都市交通局(MTA)との会合で明らかにしたもの。1月の数字は、昨年同月の数字に比べて逮捕、収監者が約18%、召喚状を受け取った者が7%それぞれ少なくなっているという。
地下鉄入り口の回転バーを乗り越える無賃乗車行為は、「サービスの窃盗」として処罰の対象となる。年間約9万人がこの罪で逮捕されており、ほかに逮捕令状が出ていたり、身分証明書不所持であったりすると、収監される。そのほかは召喚状を受け取り解放される。逮捕者の73%が、後者であるという。
しかし、MTA理事の1人、デイビッド・ジョーンズ氏は、無賃乗車の裏に貧困問題があると指摘する。逮捕者が黒人やラテン系の若者に偏っており、「彼らにとっては死活問題」と説明。また、ビクトル・ユーゴーの小説「ああ、無情」の主人公に例え、「貧しさのあまりパンを盗んで投獄されるようなもの」と、NYPDの取り締まりが行き過ぎなのではとの懸念を示している。