ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は2月28日、市内5区に約90カ所の新しいホームレスシェルターを開設する計画であることを発表した。
ニューヨーク・タイムズなどによると、市では路上で寝泊まりする人や物乞いをする人々の姿が至る所で見られるなど、ホームレスの数が増加し続けており、ホームレスシェルターの利用者数は1日約6万人に達している。市長は3年前の就任当時、所得の不均衡改善への取り組みを公約に掲げていたが、ホームレスの増加は富裕層と低所得層の格差是正に失敗した結果との見方もあるため、再選を賭けた市長選挙が迫り、焦りの表情がうかがえる。
現在、市が運営する約280のシェルターが存在するが、ホームレスの数に対し不十分となり、市は1日に約40万ドル(約4480万円)をシェルターの代わりに利用する民間のホテル代に支払っている。
同計画では、ホテルなどに宿泊するホームレスをシェルターに移し、最終的には一般の住宅で暮らせるようにすることを目標としている。近年、全米でホームレスの数は減少しつつあるが、カリフォルニア州のロサンゼルスおよびサンフランシスコ市、ワシントンD.C.では増加傾向にあるという。