Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.74 妊娠中でも役立つカイロプラクティック

 出産は、医療行為ではなく自然な体のプロセスです。妊娠中は、女性の体に多大なストレスがかかります。妊娠期間中を通してホルモンの変化や姿勢の変化が起き、靭帯はゆるみ、体重を支える構造にずれが生じます。

それにより妊婦さんの半数以上が腰の痛みを訴えるのです。さらに、妊娠中に腰の痛みを経験した女性は、次の妊娠時にも腰痛に悩まされる可能性が極めて高いのです。
 体の重心が変化するにしたがって、背骨に掛かるストレスも変化します。こんなときにカイロプラクティックはとても効果があり、多くの妊婦さんが感じるさまざまな不快感を解消することができます。カイロプラクティックは神経系の働きを正常にします。これは体全体の健康にとても大切なことです。また筋骨格系のサポートにも役立ち、足腰に掛かる負担を軽減することができます。
 お産のときにも、カイロプラクティックケアを受けていて良かったと思うかもしれません。カイロプラクティックケアを受けた患者さんの多くが、受けなかった患者さんに比べてお産が早くて楽だったとの感想を述べています。
 カイロプラクティック医は、妊娠中の患者さんに特別な配慮をします。診療用のテーブル(ベッド)や調整の方法は、妊娠期間に合わせて変えていきます。定期的にカイロプラクティックケアを受けて、お母さんも赤ちゃんも快適にお過ごしください。

◆体重の増加
 母体と赤ちゃんへきちんと栄養を送るため、妊娠中に体重が増えることは大切なことです。妊娠中の女性は平均して12~16キロ体重が増加します。どこがどれだけ重くなっているのかは、次の通りです。

乳房: 0.4~1.4キロ
胎児: 3~4キロ
胎盤: 0.7キロ
羊水: 0.9キロ
子宮: 0.9~1.6キロ
母体の水分: 1.4キロ
母体の血液: 1.6キロ
母体の組織: 3.6~4.5キロ

 体重の増え方は、妊娠中に変化します。妊娠初期には体重は約1~2キロしか増えません。そして後の6カ月間は、毎週約0.5キロ増えていきます。体重は急にではなく徐々に増えていくべきなので、もし急に体重が増えた場合は医師に相談しましょう。


Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

石谷ヘルスセンター
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