2日付のニューヨーク・デイリーニュースによると、トランプ大統領が進める不法移民の取り締まりが物議を醸す中、ブルックリン区で1日、男性が「メキシコへ帰れ」などとののしられ、顔面を殴られる事件が起きたことが分かった。
同午後5時20分ごろ、同区イーストニューヨークに住むグアテマラからの移民で調理師の男性(27)が、レストランでの勤務を終え自宅へ帰るため地下鉄クレセント駅でJ線に乗ったところ、グレーの服を着た20代とみられる黒人の男が近付いてきた。怒った様子の男は、男性に向かってメキシコ人について大声でののしり、「いまわしいメキシコ人、自分の国へ帰れ」と叫んだ後、顔面を殴ったという。男性は鼻を骨折して話すことが困難な中、「顔と口が痛い」と訴えた。
2人は同駅で降り、人が集まってきたため、男は警察が到着する前にその場から逃走。目撃者が携帯電話で男の姿を撮影したという。
ニューヨーク市警察(NYPD)のヘイトクライム対策本部は、事件について捜査を進めている。ロバート・ボイス刑事部長によると、市全体で起きたヘイトクライムの件数は今年1~2月の間に68件報告され、昨年同期比で55%増加した。