ファッションライターあやこんぶの“おしゃクロ!” Vol.29 大海原に船出するアントレプレナーたちのための ブルックリン的仕事環境

起業家やスタートアップのために生まれたコワーキングやシェアオフィスといった新しい働き方は、ニューヨーカーの間でも年々浸透し、さまざまな場所に新しいコンセプトのビジネスが生まれています。たとえば、ブルックリンのウエアハウスを改造した広々としたシェア空間で、異業種の人たちと働くなんて、想像しただけで楽しそう。

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なかでもずば抜けて大きいスケールを持つのが、ブルックリン・ネイビーヤードにある、ニュー・ラボ。もともと海軍造船所であった倉庫街の一角にあるこの建物は、総面積8万4,000平方フィートという広大なもの。第1次、第2次大戦当時、主要な戦艦のマシーンショップ(部品工場)であり、組み立てを行っていた場所。真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナもかつてここで作られたそうです。ニューヨーク市から不動産デべロッパーのマクロー・シーが買い上げ、内装の改築に約9,000トンのスチールを使い、今では70の会社が入ったモダンなオフィスに生まれ変わっています。300~8,000平方フィートの使用空間を選ぶことができ、5~60人の従業員を持つどんな大きさの会社にも適しています。

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24時間365日オープンで、3Dプリンターなどの高価な貸し出し機材も常備。オフィスの集合体というより、いわば、ひとつのコミュニティー空間となっています。とてつもなく高い天井は労働環境として必要な開放感がたっぷり。かつての造船工場は時代を経て、大航海に出るアントレプレナーたちの船のチューンナップを行う環境へと様変わりしているわけです。

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フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。