割礼が原因でヘルペス感染 ユダヤ教信仰の一環

 9日付のDNAインフォによると、ニューヨーク市内でこのほど、ユダヤ教の儀式である割礼が原因で6人の乳児がヘルペスに感染したことが分かった。
 ユダヤ教では生後8日目の男児に割礼を施す習慣があるが、ユダヤ教超正統派の儀式ではモヘールと呼ばれる担当者が割礼後、傷口の血液を吸い取る風習がある。しかし最近、この儀式が原因で男児がヘルペスに感染するケースが相次いで報告されており、市保健衛生局は注意を促している。8日には割礼儀式を終えたばかりの男児の性器や足などに湿疹が現れ、病院に運ばれたという。
 儀式の過程でモヘールから男児への感染を危惧し、以前はこの儀式を行う際、両親が事前に同意書に署名することが義務付けられていた。しかし、宗教の自由を尊重するよう求めるユダヤ教徒からの訴えを受けてビル・デ・ブラシオ市長は2015年に規制を緩和し、同意書を撤廃した。その際、同局は儀式がもたらす健康上のリスクについて説明した小冊子を配布したが、「ヘルペスに感染した男児らの親の多くが冊子に目を通していなかったようだ」と衛生局は説明する。
 2000年以降、儀式が原因でヘルペスに感染した男児2人が死亡、また別の2人が脳損傷を起こしている。