バララ連邦検事解任 NY市民の生活に影響の可能性

 13日付のニューヨーク・タイムズによると、トランプ政権による辞任勧告を拒否していたニューヨーク州南部地区連邦検事のプリート・バララ氏が解任されたことで、ニューヨーク市への影響が懸念されている。
 マンハッタンとブロンクス区、ウエストチェスター郡などを管轄する地区の連邦検事を務めた同氏は、過去に同州議会元議長シェルドン・シルバー氏(民主党)や元上院多数党院内総務のディーン・G・スケロス氏(共和党)といった大物政治家を相手に有罪判決を勝ち取り、政界の汚職を摘発した有能な検事として知られる。また、州のアンドリュー・クオモ知事の元側近らによる収賄および不正入札事件やニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長選挙資金を巡る疑惑についての捜査も進めていた。そのほか、公民権、マフィア、テロリスト、金融街のインサイダー取引などの連邦裁判にも携わった経験を持つ。
 マンハッタン区の連邦裁判所を担当する同紙の記者ベン・ワイザー氏は、「バララ氏が起訴してきた事件の多くが、市民やそのほかの人々の生活に大きな影響を及ぼすものだったため、ニューヨーカーは同氏の解任について懸念するべきだ」と訴えた。
 次の連邦検事が就任するまでの間、次席検事を務めていたジョン・H・キム氏が同氏の後任を務める。