ニューヨーク市は13日、ニューヨーク州に本社を置く大手電気通信事業者ベライゾンを相手取り、同社が契約上の義務に違反したとする正式な判決を求めて州高位裁判所に提訴した。
各メディアによると、同社は市との契約で、2014年までに市の全世帯で光回線を利用したネットワーク「FiOS(ファイオス)」が利用できるようにすると約束していたが、これまでにファイオスのネットワークが利用できているのは310万世帯のうち220万世帯だけだという。ビル・デ・ブラシオ市長は、「ベライゾンは市民の信頼を裏切った責任を取るべきだ。いかなる企業も、市民との約束を破って許されることはない」との声明を発表した。
一方、同社は「契約では光回線用の光ファイバーケーブルを全てのビルの前に設置することは義務付けられていないので、契約違反に該当しない」と主張。同社の公共政策部副部長兼相談役のクレイグ・シリマン氏は、「契約に含まれない義務を求めるとは嘆かわしい」とし、市が求める規模で市内の道路や歩道を掘り起こせば、車両や歩行者に混雑を引き起こし、住民や企業に計り知れない不便と困難を強いると説明する内容の文書を市通信情報技術・電気通信局長に宛てている。