20日付のニューヨーク・タイムズによると、マンハッタン区モーニングサイドハイツのセント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂でこのほど、17世紀に製造された10枚の織物が火災の被害から復活し、再展示が始まったという。
この織物は高さ16フィート(約5メートル)、幅は物によって12~19フィート(約4~6メートル)、キリストの生涯をモチーフにしている。ガリレオを糾弾したことで知られる教皇ウヌバヌス8世の甥、フランチェスコ・バルベリーニ枢機卿が1643年に作らせた12枚組のうちの10枚。そこから「バルベリーニの織物」と呼ばれ、カトリック教会ではローマ・バロック時代の最も重要な美術品の1つとされており、バチカンで展示されたこともある。
2001年12月18日に織物が飾られていた壁の後ろから出火して、大聖堂は炎に包まれた。その後、大聖堂に設けられた織物保存ラボで修復が始まった。ウールやシルクを使い1インチ四方ずつ進めていくという気の遠くなるような作業の努力が実り、約16年間の修復作業を終えて今回、大聖堂に再び展示されることになった。この織物は6月25日までの午前11時~午後3時の間、一般公開される。