依頼人から60万ドル窃盗 弁護士に1~3年の実刑判決

 【20日付ニューヨークタイムズ】ブルックリン区のニューヨーク州高位裁判所は20日、死亡した依頼人の遺産から約60万ドル(約6580万円)を盗んだ容疑で有罪判決を受けたクイーンズ区の弁護士に、1年から3年の実刑判決を言い渡した。
 フランク・ラカノ元被告(34)は、2008年に死亡したブルックリン区民事裁判所のジョン・L・フィリップス・ジュニア元判事=当時(54)=の遺産管理人で義理のおいに当たるサミュエル・ボイキンさんから、元判事が遺した不動産売却の手助けをするよう依頼を受けた。不動産の中には、元判事が1984年に購入し、後に公民権運動の史跡となった歴史的な劇場も含まれていた。同劇場の壁には、マーカス・ガーベイやキング牧師など黒人指導者らの姿が描かれていた。
 2012年と13年に、不動産購入者が70万ドル(約7680万円)以上を元被告の信託預金口座に振り込んだが、元被告はその後2年間にわたり、同口座から自分に宛てた45~7500ドル(約4900円~82万円)の数百枚の小切手を不正に発行し、現金化していた。窃盗罪で起訴された元被告は3日、事実を認めていた。実刑判決に伴い同裁判所は元被告に対して盗んだ預金を返金するよう命じた。
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