日本の友人たちのフェイスブックやインスタグラムのポストに満開の桜が咲き乱れるようになった4月のある日、メトロポリタン美術館についてのドキュメンタリーが日本で公開されたという話を聞いた。(厳密にいうとそういう投稿を読んだのだけど。)美術館のニックネーム、メットで行われるガラやリアーナやビヨンセなどの一流セレブが参加するパーティについては聞いたことがあったけれど、その年に行われる展示やどのようにキュレーションされているかについては、全く知らなかった。
早速ネットフリックス内を検索してみると、もちろんアメリカでは日本よりもずっと前に公開されていて、オリジナルのタイトルを「The First Monday in May」というのだった。
それより、まずはメットへ行こう。だって電車に乗れば、メットはすぐそこにある。
アートへの敷居が低いことが、ニューヨークの長所の1つ!
土曜日で天気の良い、実に春らしい日のメット前はものすごい人だかりだった。ずっと昔に行ってから、お気に入りのエジプトのコーナーを横目に、中世ヨーロッパの彫刻エリアやどうやらガラパーティが行われたであろう広い中庭のような空間を通りすぎると、目立たないエレベーターの前に短い列が出来ていたので何のための列かと警備員に聞いてみると、「ルーフトップへ行けるのよ」と言われた。
ルーフトップがあるなんて!!しかもルーフトップガーデンはNYの季節柄、開いている時期が限られていて、今年は開いたばかりのタイミングだという。なんだか、お膳立てされていたようなタイミングに、私ってなんてラッキーなの、とスキップしたいぐらいの気持ちに駆られた。
そして、ルーフトップガーデ
ンに着いて、私は涙が出そうなぐらい、感動した。ガーデンにはアート。そして、マンハッタンを見渡す絶景。目の前にはセントラルパークが広がっているし、アップタウンにいるのに、ほかに高い建物が見当たらないから、本当に天空にいるみたい。
こんな美しい場所があるなんて。NYには、本当にまだまだ知らないこと、見たことのないものに溢れている。もっと、もっと世界の美しいものを見たい。晴れ渡る空が背中を押してくれている。
私はもっと受け取っていい。いろんな人から祝福されて、応援されているような気がした。