MET美術館、入館を有料化 財政赤字受け、NY市民以外対象に

 【26日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は26日、メトロポリタン(MET)美術館への入館を、市外からの来館者を対象に有料化する提案を承認した。同美術館は市が建物を所有し、市から年間2600万ドル(約29億円)の補助金を受けているが、入館料は任意の寄付金のみで、入館料を払わない人が増えているという。
 市から受ける補助金は、同美術館運営のために必要とされる年間経費3億3200万ドル(約370億円)の8%に過ぎない。約1500万ドル(約17億円)の財政赤字を抱える同美術館では、職員の削減や例年の展示を60回から40回に減らすなどの経費削減策を強いられている。同美術館では現在、成人に25ドル(約2800円)の寄付金を推奨しているが、入館寄付金の2016会計年度の合計は総収益の13%に当たる3900万ドル(約43億5000万円)に満たない。入館料が設定されれば、年間数千万ドルの収益が見込めるとされる。
 同美術館は、市の住民以外を有料とする案について約1年にわたり市議会と話し合いを続けていたが、市民であることを証明する方法や入館料の金額設定など、解決すべき問題が残っている。

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