【4月28日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市矯正局のジョセフ・ポンテ局長(70)が昨年1年間に90日間も市外で過ごし、公用車を私用で使用するなどの職務怠慢や職種乱用があったことが問題視されている。市捜査局が4月28日に発表した報告書により明らかになった。
90日間のうちの35日間は勤務日で、市内の刑務所では同局長の留守中に受刑者や勤務中の看守が死亡する事件や受刑者の脱獄などが起きていた。同局長は問題発生時も市には戻って来ず、部下が対応したという。
また、同局長は公用車のSUVを利用してメイン州まで家族に会いに行っていたことも判明している。匿名の通報から局長への捜査が開始され、車両のGPSやEZパス、ガソリン購入記録、車両使用記録などを調べた結果、同車両がニューヨーク州外で走行した距離は約1万8500マイル(約3万キロ)で、ガソリン代と通行料に約1800ドル(約20万円)をつぎ込んでいた。
メイン州でも矯正局長を務めた経験のある同局長は、問題を抱えた市の刑務所制度改革のため2014年にビル・デブラシオ市長に指名され、就任後に22歳未満の受刑者の独房使用禁止などを推し進めた立役者だった。