【4日付NY1】ニューヨーク市で昨年、オピオイド系鎮痛薬の過剰摂取による死亡が記録的に増加したことを受け、市保健精神衛生局(DOH)のメアリー・バセット局長はこのほど、鎮痛剤の処方量を制限するよう医師に勧告した。
同局長は、がんに関連した痛みを和らげる場合を除いてオピオイド系鎮痛薬の定期的処方をやめ、処方する際は3日分までに制限するよう指示した。同局長は、「激しい痛みでも3日分の処方で十分。しかしブルックリン区では、処方量の中央値が23日から25日分に増えている」と警告した。
DOHの調べによると、オキシコンチンなどの鎮痛剤の処方が増えたことで薬物の過剰摂取による犠牲者の層は変化しているという。同区でオピオイド系鎮痛薬の過剰摂取による死亡が最も多かったのは、コニーアイランドに住む高齢の白人やヒスパニック系の男性だった。
処方鎮痛薬への依存は、路上などで違法に販売される合成オピオイド「フェンタニル」を混合した強力なヘロインなどの摂取につながるとみられている。同区では昨年、277人がオピオイド系鎮痛薬の過剰摂取で死亡していることから、処方する医師にも責任があるとの声が上がっていた。