【4日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】タイムズスクエアでのぞき部屋などが入居するビルを所有し、財産を築いたリチャード・バシャーノさんが1日亡くなった。92歳だった。
メリーランド州ボルチモア市出身のバシャーノさんは1960年代にニューヨークでポルノ雑誌販売の傍ら不動産の買収を開始。80年代中ごろには1年で1000万ドル(約11億4200万円)の利益を上げるまでになった。
バシャーノさんにはビジネスパートナーが2人いたが、81年にはわいせつ罪でどちらも逮捕され、5年後にはそのうちの1人がマフィアに関係したとして殺害されるなどビジネスは波乱続きだった。
また、ルドルフ・ジュリアーニ市長時代には反ポルノ法が厳しくなり、アダルトショップ「ショーワールド」の経営も危ぶまれたが、性に関連する商品を全体の60%にまで削減することで事業を継続してきた。
近年ではペンシルベニア州フィラデルフィア市で所有していたビルが2013年に崩壊事故を起こし6人の死者を出したことから、今年2月には2億2700万ドル(約260億円)の示談金で遺族と和解していた。バシャーノさんは犠牲者に対して非常に心を痛めていたという。