【14日付amニューヨーク】ニューヨーク州都市交通局(MTA)は14日、妊婦が交通機関などを利用する際に身に付け、乗客が妊婦に配慮しやすくするマタニティーバッジの配布を始めた。MTAが推進する、妊婦や障がい者など助けが必要な人に優しい社会をつくる「思いやりキャンペーン」の一環。
マタニティーバッジは「お腹に赤ちゃんがいます」または「席を譲ってください」と記された2種類。2014年は1000人に14人のニューヨーカーが出産を経験しており、市内には多くの妊婦がいるが、特に席を必要とする妊娠初期などは、腹部のふくらみが目立たず席を譲ってもらえない妊婦も少なくない。同バッジはこうした妊婦へ周囲が配慮しやすいようにと開発された。
法律で定められている通り、優先座席に座っている場合は妊婦だけでなく高齢者や障がい者などに席を譲らなければならない。MTAの暫定CEOを務めるベロニク・ハキーム氏は「マタニティーバッジを見て席を譲る人が増えてくれれば」と同バッジの効力に期待を寄せる。MTA理事のベロニカ・バンタープール氏も「小さな気遣いが暮らしやすい町をつくる」と話している。