【15日付ビジネスインサイダー】ニューヨーク市長室の気候変動対策本部はこのほど、市は海面上昇の影響から将来的に水没する恐れがあると発表した。
調査によれば、このまま温室効果ガスの排出が続けば、2050年までに平均気温が華氏4.1度から6.6度ほど上昇する他、年間降水量も4%から13%増加する恐れがあるという。また、津波が市を襲う可能性は170年前に比べると20倍に上昇し、気候変動による生活への影響が懸念されている。
この事態を受けて市は、気温上昇や洪水、嵐などの影響を和らげるビルの設計など、実現可能な気候変動対策マニュアルを公開。マニュアルには2020年から100年にかけて海面上昇の影響で水没する恐れのある地域も示されている。海面上昇の影響が心配されている地域はイースト川やハドソン川周辺の沿岸地域に集中しており、ルーズベルト島も含まれている。
12年にハリケーン・サンディが市を直撃した際は高潮によって地下鉄が浸水し、大規模な停電も起こり、被害額は約250億ドル(約2兆8000億円)に上った。市はサンディの経験を踏まえ、気候変動がもたらす影響を最小限にとどめる対策を立てる意向だ。