NY市高齢移民に広がる貧困 米国生まれを7%上回る

 【18日付amニューヨーク】ニューヨーク市で暮らす移民の高齢者の間で貧困が広がっている。非営利団体センター・フォー・アーバン・フューチャーが18日発表した報告書で明らかになった。
 市で暮らす外国生まれの高齢者の割合は2000年から12%増加し、2015年は高齢者全体の半数近くに増加していた。このままの状態が続けば、20年までに市の高齢者の大多数を移民が占めることが予想される。市の高齢移民の22%は貧困層に属し、米国生まれの高齢者の貧困率15%を上回っている。
 同報告書によれば、マンハッタン区以外の各区で10~15年の間、高齢移民の割合が2桁台で増えており、その約68%がブルックリンまたはクイーンズ区で暮らしている。高齢になると市を離れる傾向にあるが、市内には外国文化が根付いた地域が多くあり、母国のコミュニティーを必要とする高齢移民は市にとどまる傾向にある。
 市で暮らす高齢移民の平均年収は、米国生まれの高齢者より約1万ドル少ない1万800ドル(約120万円)。旧ソ連、ドミニカ共和国、メキシコ出身者が多い。