NY市が「差別撲滅キャンペーン」 被害報告を呼び掛け

 【23日ニューヨーク市発表】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は23日、「差別撲滅キャンペーン」を開始すると発表した。市人権委員会の報告書によれば、市では2016年に報告された差別被害数が前年より60%増加していた。また人種、宗教、国籍、在留資格に基づいた差別は30%増加していた。今年に入ってからも差別は増加傾向にあるという。
 同キャンペーンでは、地下鉄車内や駅、バス停、スタッテン島フェリーターミナル、リンクNYCのキオスク、教会、商店などにポスターを掲示する。また、タクシー車内のモニターやソーシャルメディアなどでの宣伝に加え、市民の権利と、差別を受けた際の報告方法周知のイベントを行う。英語とスペイン語のポスターには、差別の被害者となることが多いユダヤ、イスラム、ヒスパニック、アジア、アフリカ系、性的少数者(LGBTQ)の6人を採用。ポスターは市内3400カ所以上で6週間掲示し、夏の終りまでに5つの言語で展開する。
 また同キャンペーンは中国語、韓国語、ロシア語などで配信する新聞やラジオなど25の媒体を通じ、市内のあらゆる言語を話すコミュニティーにメッセージを拡散し、差別を受けた人に市人権委員会に報告するよう呼び掛けている。
 市長室移民部のニーシャ・アガーワル部長は「市は、出身国や肌の色、宗教、在留資格を問わず支援する」と述べ、市長は「ニューヨーク市では差別を決して認めない」と話している。