統合失調症女性射殺で起訴 警官は無罪主張

 【5月31日付NBCニューヨーク】昨年、ブロンクス区に住む統合失調症の女性を射殺したNYPDの元巡査部長が5月31日、第2級殺人罪などで起訴された。元巡査部長は無罪を主張し、10万ドル(約1100万円)の保釈金を支払い、釈放された。
 事件は2016年10月18日、通報を受け同区キャッスルヒルのアパートに駆け付けたヒュー・バリー元巡査部長(31)が、同アパートに住むデボラ・ダナーさん=当時(66)=が全裸ではさみを持っていたため、はさみを置くよう説得。しかし、ダナーさんがバットをつかんで突進してきたため、ダナーさんを射殺した。
 同被告は事件直後に銃と警察バッジをはく奪され、現場職から事務職へ転属させられる懲戒処分を受けた。裁判所前で数カ月間にわたる抗議運動を続けてきた反差別団体ブラック・ライブズ・マター・オブ・グレーター・ニューヨークは、起訴に持ち込んだ地区検事長を称賛した。一方、NYPDの労働組合の1つ「巡査部長慈善協会」のエド・マリンズ会長は、「バリー元巡査部長は、政治的な駒として利用されただけ」とする声明文を発表している。
 同被告は10年と11年に、市民への蛮行で起訴され、それぞれ2万5000ドル(約280万円)と1万ドル(約110万円)で和解している。
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