目指すは似顔絵捜査官  強盗に遭った自らの体験生かし

 【5日付ニューヨークポスト】マンハッタン区在住のローラ・マレーさんは、強盗に遭った経験を生かし警察の似顔絵捜査官を目指している。
 マレーさんは2012年11月のある日、ウエストハーレムのアパートのロビーに降りたところで、2人の強盗に襲われた。1人が首をつかんでマレーさんを壁に押し付け、もう1人が拳銃を突き付けた。「私はずっと犯人たちをにらみつけていた。そうしたら撃たないだろうと思った」とマレーさんは事件当時を振り返る。
 美術学校に通っていたマレーさんは、犯人の顔の細部まで記憶に焼き付け、似顔絵にすることを決意。「疲れた目に広い鼻腔。頬骨は張っていた」。財布を差し出し犯人から開放されたマレーさんはNYPDに通報すると同時に5階の自室に戻って犯人の似顔絵を描いた。「ただの被害者でいたくなかった」と気丈に話すマレーさんの父はオクラホマ州オクラホマシティーで警官をしている。NYPDにその似顔絵を渡すと、「とてもよく描けている」と褒められた。
 翌日逮捕された犯人のうち1人は性犯罪歴があり、裁判の末、44年から終身の懲役刑が言い渡された。
 検察官やNYPDから似顔絵捜査官になることを勧められたマレーさんは、「私の絵が犯人逮捕に役立つのならうれしい」と、修行に励んでいる。

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