こんにちは。ティーチングプロの宮崎です。最近、生徒さんからよく「トップで一瞬止まった方がいいの?悪いの?」という質問を受けます。トップからダウンスイングへの切り返しで一瞬止まるようにスイングをする松山英樹プロの影響からか、トップで一瞬止まるようなスイングを試みるアマチュアゴルファーが増えたように感じます。個人的には、トップで一瞬止まるのはあまり良くないと思っています。その理由は、飛距離と方向性を低下させてしまう可能性があるからです。
私たちはリズム良くスイングをしているとき、トップに向かって腕を振り上げ、トップから腕を振り下ろします。この振り上がった腕を振り下ろすという切り返しの瞬間、シャフトに負荷が掛かりしなります。(図1)しなったシャフトは真っすぐな状態に戻ろうとするのですが、その際 「復元加速」という現象が起こり、インパクトに向かってクラブヘッドを加速させます。ボールの飛距離に影響を与えるのはインパクト直後のボールの初速ですが、その初速を上げる要因の1つがクラブヘッドのスピードです。しなったシャフトの復元加速はそのヘッドスピードを上げるのに貢献してくれるので、自然なリズムでスイングすることは飛距離アップにつながります。
しかし、トップで一瞬止まってしまうとシャフトの復元加速を最大限に使えなくなってしまいます。図2を見てみましょう。腕を振り上げトップを作ったとき、シャフトは一瞬しなるのですが、ポーズしてしまうとシャフトのしなりがなくなります。
しなりがなくなってしまっては復元加速を利用したヘッドのスピードアップは期待できません。このようなスイングをするゴルファーは非力な人ほどクラブが振り遅れ、力がある人ほど力任せにクラブを振り下ろしシャフトをしならせ過ぎてしまいます。前者は当たり損ね、後者はフェースコントロールができずボールが左右に散るミスが出やすくなってしまうので、自然なリズムでスイングしてシャフトのしなりを利用しながら打つ方が良いと考えられます。
トップで一瞬止まるか止まらないかを悩んでいる方は、ぜひリズム良くスイングしてみてください。
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Biography 高田洋平
DPT, CFMT, OCS, SCS, CAOPT,ゴルフを中心としたスポーツリハビリを学びたいと渡米。コロンビア大学でDoctor of Physical Therapy(理学療法学•博士号)を取得。現在Func-Phsyotherapyのオーナー。 ゴルフリハビリの資格:TPI(Titleist Performance Institute) Medical Profession‐Level Ⅲ。
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Biography 宮崎 太輝
NY市立大学大学院で Exercise Science & Rehabilitationを専攻し、効率よく新しい身体の動きの習得を促すために運動学習を研究。東京でプロやインストラクター、トレーナーに向けてゴルフスイングや指導法の講習を行った経験を持つ。現在はMosholu Golf CourseとWestchester Driving Rangeにてレッスン活動を行う。
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