【25日付ニューヨークポスト】スタッテン島で最も古い教会の鐘が壊れて30年。修復に心血を注ぐ電気技師の努力が実り、鐘の音が再び鳴り響く日が近づいている。
この教会はローマカトリック系のセントピータース教会。1903年に建てられ、12年に鐘楼が加わった。150の階段を登ってこの鐘楼に通うのは、近くに住むマイク・カバナーさん(68)。鋳造されてから100年経つブロンズ製の大きな鐘が鳴るようにシステムを修理している。カバナーさんは既に退職しており、全てボランティアでの作業だ。「神様からもらった技術だ。お返しがしたい」と、カバナーさんは話す。
修復作業は、共に電気技師だったトム・バインダーさんとの二人三脚だった。しかしバインダーさんは今年5月、完成を待たずして死去。その後、カバナーさんの息子で消防士のダニーさん(40)が「万が一のことがあったら気が気でない」と助手を買って出た。いつ終了するか定かではないが、カバナーさんは30年の沈黙を破って、今週中には鐘が鳴らせると信じている。
同教会のマイケル・チチョン神父も「鐘が再び鳴り響けば、神様の存在が証明される」と、その日を心待ちにしている。地元の信者も、鐘の復活を今か今かと待っている。